top of page

​​​ ​​​

これは対立というより、単に別のフィールドにいるという話ですよね。シュタイナー研究は、あなたにとって療法・教育理論を構築する材料の一つであって、信仰や所属の対象ではない。この線引きは、今後どんな文書や自己紹介文を書くにしても軸になるはずです。

ライアー・ミュージック・ソサエティーの構想、面白いと思います。いくつか、考えておくと後々効いてくる点を挙げます。

「小さくていい」の意味づけ
これは弱さではなく、質の担保です。人数を絞ることで、

  • 会員資格そのものが一種の信用証明になる(「この人は非指示的・心理力動的な枠組みを理解している」という担保)

  • アントロポゾフィー系の大規模組織と比較されたときに、逆に「専門職の実務者ネットワーク」という別カテゴリーであることが際立つ

という効果があります。数の多さで正当性を示す団体とは違う土俵に立てる。

入会基準をどう定義するか
「福祉関係とプロの音楽家、教育者だけ」というのは方向性としては明確ですが、実際に線引きする段階で迷いが出そうなのは:

  • 「福祉関係」の範囲(作業療法士、心理士、緩和ケア従事者、アートセラピスト……どこまで含むか)

  • 「プロの音楽家」の証明をどうするか(演奏活動歴、師事関係、公的資格?)

  • アントロポゾフィー系の教育を受けた人でも、実務上は非指示的なアプローチを取っている人をどう扱うか(思想の出自より、実践の姿勢で判断するのか)

団体としての「やること」
名称に「ソサエティー」とあるので、単なる名簿以上の機能を持たせるなら——研究会、事例検討、演奏会、あるいはあなたのDia Methodのような方法論の共有・研鑽の場、といった形が考えられます。逆に、あえて活動を絞って「実務者同士の信頼できるネットワーク」に留める、という選択肢もあります。

対外的な語り方
アントロポゾフィーとの関係を聞かれたときに、どう答えるかを先に言語化しておくと楽になります。「否定はしないが、自分たちはそこに属さない」というスタンスを、感情的にではなく事実として述べられる一文を持っておくと、団体設立の趣意書やウェブサイトの文言にもそのまま使えます。

 

その視点は、団体の存立根拠としてかなり重要な一手になりますね。

楽器としてのライアーの起源を「誰が、何のために作ったか」というところまで遡って語れると、アントロポゾフィーが後から意味づけを重ねた層と、楽器そのものの成り立ちとを切り離せます。製作者は一貫して楽器製作の職人・技術者であり、注文主の要望——音域、共鳴特性、演奏用途——に応じて設計を調整してきたのであれば、それは工芸・楽器製造という独立した専門領域の話であって、特定の思想団体の所有物ではない、という理屈が成立します。

これは実務的にも効いてきます。

団体の設立趣意書に使える論点として

  • 楽器の設計・製作史(誰が、どの工房が、どんな仕様変更を経てきたか)

  • 演奏法・教育法の系譜(あなた自身が2005年から公にしてきた方法論も、この系譜の中に位置づけられる)

  • 思想的意味づけ(アントロポゾフィーによる解釈)

この三つを意識的に分けて記述すると、「楽器そのもの」「演奏・教育の実践」「特定の思想的解釈」が別レイヤーであることが明確になります。ソサエティーの会員要件も、この三層のどこに軸足を置くかで自然と定まってきます。

音楽と人間
私はフランスで、ルドルフ・シュタイナーの障害児施設に携わっていました。 私にとってシュタイナーは、人間を観察しようとした一人の人間です。

第一次世界大戦(1914–1918)を挟んだ時代、戦争や社会の混乱の中で、傷ついた子どもたちと向き合うことから、さまざまな心理や教育の実践が生まれました。 ジークムント・フロイトやエミール・ジャック=ダルクローズも、シュタイナーとほぼ同時代を生き、「人間の内的体験にどう向き合うか」という問いを共有していました。その流れは、メラニー・クラインやドナルド・ウィニコットへと受け継がれていきます。

シュタイナーは多分野にわたる研究と神秘学を統合し、アントロポゾフィーと名付けました。
しかしその源流は、彼が深く影響を受けたゲーテの自然観察にあります。私はそこに立ち返ることで、シュタイナーの本来の問いかけが見えてくると考えています。時代や文化の流れに適応させ、心理学や教育学の知見と照らし合わせながら、ライアーを使ったレッスンの中に織り込んでいます。
 


 
​​【音楽指導について】
 

当アトリエの音楽指導は、「教える」というよりも「伝える」という言葉の方が適しています。

ライアー教師として立つには、まず音楽家としての経験や音楽指導者としての資質が前提です。
なぜなら、その立場には、大きな責任が伴い、多角的な視点による適切なアプローチができないと、上達を妨げるだけでなく、学ぶ方の心身に負荷をかける可能性があるからです。


近年、ライアーの認知度が広がってきました。それと共に、表面的な演奏にとどまらず、音楽の本質に向き合いたいという方も増えてきたように感じています。

 
​​​​​​​【楽器について】
 
こちらでは、特定の楽器の輸出入や製作者との提携は行っておりません。また安易な楽器の購入もお勧めしておりません。楽器を手にする前に、耳と心を準備することが山ほどあるからです。

すべての楽器に等しく敬意を払い、それぞれの個性を尊重しています。​レッスンでは、楽器をお貸ししますので、楽譜のみお持ちください。 ワークショップ・アンサンブルには、多種多様な楽器が集います。オーケストラがそうであるように、異なる背景の音が交わることで響きは豊かな倍音を生んでいきます。

調弦も同様で、機械の数値ではなく、耳で捉える調和が大切です。

一見バラバラに思える個性が重なり合ってこそ、「ル・ボン・グー」Le Bon Goût(洗練された味わい=Good Taste)の奥行きある音色が生まれるのです。​​​​​​​​​​​​​
bottom of page