ライアーの家族と療法 | ライアー教室・音楽カウンセリング
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<ライアーの名称>

 

ドイツ語:Leier「ライアー」

フランス語:Lyre「リール」

英語:Lyre「ライアー」

ラテン語:Lyra「リラ」 など。。

日本では「竪琴」

<ライアーの家族> 

 

イスラエル:キノー(Kinnor)

アメリカ:ドゥルシメール(Dulcimer)

ハンガリー:Cemblaon(チェンバロン)

アラブ諸国:Santoon(サントゥ―ン)Kanun(カヌン)

ドイツやオーストリア:Zither(ツィター)

フィンランド:Kantelet(カンテレ)

アフリカ:Nianiti(ニャニティ)Inanga(イナンガ)

ビルマ:サウン・ガウ(Saung-Gauk)ビルマの竪琴

などがあります。

 

<ライアーの起源>

 

 弓や矢、石ひじりや槍は遠くにいる動物を仕留めたり、生き延びるための戦いに備えて、必要不可欠なものとして発達していきました。そういった長い歴史の中、弓やスリング・ショットなどで弾いた音が人の耳を刺激し、音から音色としてとらえられていき、ライアーのような楽器が生まれてきたのだと思います。

 紀元前4,000年昔のエジプトや紀元前3,000年のメソポタミアのシュメール人の絵画にライアーの絵が残っているようです。

<ハープとライアー>

 

 ライアーの演奏法は、指を弦に直接触れて音を出します。またプサルテリオンやハンマー・ダルシマーのような楽器は、棒や羽でたたいて演奏します。ライアーのように弦を指で直接触れて、音を出す楽器のひとつとして、ハープが挙げられます。

 ハープとライアーの違いは、コマがあるかないか、です。ハープは木の枠の上部と下部に弦が張られています。ライアーは、響板の上にコマがあり、弦は一旦、そのコマの上を通ってから木の枠の上部と下部に張られています。

 🐸神話の中のライアーのページには、ダビデの物語があります。このダビデの宗教画には、大きく分けて2つあります。ハープまたはプサルテリオンを手に持ったダビデとライアーを持っているダビデです。前者は、キリスト教の絵画、後者は、キリスト教以前のユダヤ教の絵画となります。

​ ライアーはユダヤの楽器であり、キリスト教の楽器ではありません。ルドルフ・シュタイナーは、ヨーロッパ大戦の激しい中、この楽器の復興の中に、偉大なる理想の力を切望したのではないかと私は考えております。

<ライアー・ピッチ432Hz>

 

 ライアーは、A=432Hz(ヘルツ)のピッチに合わせて演奏をします。この432Hzというピッチは、現在一般的に使われている440Hzに比べ、全体的に半音くらい低くなります。優しく、気を張らずに、力が抜けたような味わいのある音色やハーモニーに感じられます。演奏中に自身が眠たくなってしまう時もあります。

 このピッチは、単なる数のあそびではなく、実際、森など、自然の中で音を出すと、音色が空気と絡まるように響き渡り、遠くに消えていく特徴があると感じております。

 A=432Hzは、18世紀後半のモーツァルト時代の音楽にも使われ、また19世紀のイタリア・オペラの巨匠ヴェルディも432Hzを推奨し、「ヴェルディのA」と言われたということです。

 余談ですが、17世紀フランス・ヴェルサイユ宮殿のバロック音楽は、「ヴェルサイユ・ピッチ」といい、現在もA=392Hzに合わせて演奏されます。現在一般に使われている440Hzに比べ、全体的に全音くらい低くなります。

 

<ライアーの音律>
 

 15世紀、16世紀のルネサンス時代の音楽、そして18世紀以降の音楽は、一般的に平均律を使用しており、ライアーも同様です。

 11世紀から13世紀の中世音楽は、ピタゴラス音律に合わせます。ライアーのピタゴラス音律は、古楽やペンタトニックの即興に非常に似合うと感じております。

 17世紀バロックからは、ミント―ン音律も見られます。19世紀の作曲家シューマンは、このミントーン音律、そしてキルンベルガー音律に合う曲を作っていたりしているようです。演奏家は、自身の研究や解釈によって、いろいろな音律を使っています。

<調の自由なペンタトニック>

 

 ペンタトニックは、「ペンタ」はラテン語で「5」を表します。音楽理論では1オクターブ音階の5つの音で作られる音階を意味し、大きく分けて陰音階と陽音階があります。どの音から始まってもどの音で終っても許される性格を持っているので、メロディーが作りやすく、即興しやすい特徴を持ち、ドイツやスイスの音楽療法では、この陽音階のペンタトニックがよく扱われていました。

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